松葉ガニの生態
松葉ガニがどこに生息し、どのように生まれ、成長しているのか知りたいと思いませんか?
松葉ガニはどのような生態なのでしょうか?松葉ガニが漁で獲られるまでの間、このように生きているのです。
生息地
松葉ガニとは、山陰地方の日本海側(島根県、鳥取県、兵庫県、京都府)で水揚げされるズワイガニの呼称です。
主に水深200〜400mの砂泥の海底に生息しており、水温が1〜4℃程度の水域を好むため、季節により生息域が変化します。また、雌雄で生息水深が異なり、より浅い水深では主に雌ガニが、より深い水深では主に雄ガニが、分布しています。
食性
松葉ガニは主に貝類、多毛類、甲殻類、魚類など多様な餌を食べています。その他にも、生物の屍骸や、脱皮した自分の殻も食べます。
産卵期
松葉ガニの産卵期は、初産6〜7月、経産2〜3月です。
脱皮した直後に雌ガニは、雄ガニと交尾を行い、初産卵を行います。「初産卵」とは、雌ガニの生まれて初めての産卵の事です。産卵された卵は、孵化するまでの間、雌ガニがお腹に抱えます。
そして翌々年の2〜3月に幼生が孵化します。幼生が孵化した直後に、雌ガニは短期間で再び雄ガニと交尾を行い、産卵をします。このときの産卵を「経産卵」と呼びます。この卵も、孵化するまでの間、雌ガニがお腹に抱えます。そして翌年の2〜3月に幼生が孵化します。
その後も雌ガニは寿命となるまでの間、毎年2〜3月頃に産卵(経産卵)を行います。そのため、雌ガニは成体となってから産卵しなくなるまで、常に卵を抱いている事になります。
孵化から成長
産卵された卵は、雌ガニの腹に抱えられ、初産の場合1年半、経産の場合は1年経過すると、孵化します。
孵化後の約2〜3ヶ月は、「浮遊期幼生」(この浮遊期幼生の時も脱皮を行い変態します。)として海中を浮遊して過ごします。
浮遊生活を経て脱皮を行い、稚ガニとなった後は、底生生活に移行します。その後、稚ガニは脱皮を繰り返し、大きくなっていきます。松葉ガニは産まれてから親ガニ(※)になるまでに約10年を要します。
また、脚を損傷しても、何回か脱皮をして再生しますが、最終脱皮後は二度と再生しなくなります。
※ここで指す「親ガニ」は、雌ガニと交尾が可能な雄ガニのことです。